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2017年 04月 03日
この人物に関し、国立国会図書館には小原節を中心に多くの音源が残されている。同時期に山中節の吹込みだけでも4枚のSPレコードが確認されていて、今回の音源集にはそのすべてを収録した。録音期間は昭和4~5年に集中しており、正調に比べるとかなりアップテンポで、むしろ鉄砲獅子踊りのメロディに似ている。
ただ、これだけの音源を残しながら、佐々木静奴本人についての情報は極めて乏しい。レーベルに記された伴奏者の名前、小原梅幸、佐々木萬月、小原小春、小原萬龍・・とたどり、どうやら大正後期に旗揚げした小原萬龍一座とかかわっていたらしい、と推測するのみである。 小原萬龍一座はその名から明らかな通り、八尾の越中小原を源流とする社中との資料がある。この名前が例の赤坂萬龍と直接関係があるとは思えないが、少なくとも日本一と謳われた名妓を意識した命名であることは間違いない。今風に言えば、佐々木静奴は大正後期から昭和初期に活躍したローカルバンド小原萬龍一座の人気女性ボーカリスト、ということだろう。 (No.4,5,6,61,62,63,64 / Disk1-4,5,6 Disk 4-16,17,18,19 )
by sarakus
| 2017-04-03 02:15
| 山中節音源ライナーノーツ
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